『腕』/
あおい満月
『腕』 あおい満月
しかくいまちの
しかくいまどから
しかくいそらをみている。
陽炎の向こう側を
車が走る
人々はアクセサリになって
街の腕を滑っていく
ざわめきさえも
直線的で
紐にぶらさがった
洗濯挟みを思わせる
色とりどりの
洗濯挟み。
となりの誰かが爪に
マニキュアを塗っている
さくらいろの
洗濯挟みをひとつ選んで髪にとめて
四角い空を
雲がゆっくり渡っていく
アクセサリな人々の
日傘は風にあおられて
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