白夜の足跡/りゅうのあくび
星がない夜空で
遠く昔に君が歩いたはずの
もう見えない足跡でさえも
まだアスファルトには
小さな熱としてこもっていて
切ない夏の夜に
孤独な月が隠れながら
白夜について
君のとても短い詩を
或る風景のように
残していたとしても
白い摩天楼はまだ
ネオンサインの光とともに
そびえていて
朝を待つ夜明けみたいに
移り逝く時代は
硬い丘の坂道を越えて
きっと綺麗な星になる
在りし日に
夜空を暖める太陽と
ただ白いだけの真夜中のように
君からそっと続く
永い足跡が出会ったところに
僕はちょうどいる
ずっと雪が降らない世界で
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