心だけ小さな舟に運ばせて/
そらの珊瑚
やわらかな夜の入口で
関節のありかを
ひとつひとつ
たしかめていく
幾度となく
繰り返してきた
解体のための
いとおしい作業
継ぎ目よ
さようなら
肉体は部品となって
ていねいに仕舞われ
満ちてきた水によって
浄められてゆく
少女が投げた鍵が
湖に波紋を描き
朝が来たことを告げる
塩を含んだ水は
しずしずと干き
そしてあらわになった底から
わたしはわたしを拾う
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