それ/浩一
ひとは誰でもその胸のおくの さらに
横のほうの暗がりに
誰にも触らせてはならないものを
もっている
誰も触ってはならないものを
かくしている
それをいのちとよぼうが
それをこころとよぼうが
ジンケンとよぼうが
どうでもよいことだけど
しんにそれを実感しそれを畏れないならば
なにをいおうが
どんな運動をしようが
たとえば「いのち」というコトバは
その記号としてのせいしつを露にし
記号は単なる記号としての記号の死を死ぬ
ひとは誰でもその胸のおくの さらに
横のほうの暗がりに
誰にも触らせてはならないもを
もっている
そこに土足で踏み込むものは必ず罰せられるだろう
じぶん自身のそれによって
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