マリエ/瑞海
マリエ、隣のクラスのマリエ
呼び捨てなんて失礼だから
マリエさんと呼びます すいません
図書館で本を読んでるときの
長いまつげが目にかかる姿が
誰よりも綺麗なの
マリエさん自身知っていますか?
風に吹かれるとあなたの茶色い髪が
陽に触れてキラキラ光るんです
溜息というか 息が出来なくて
教室から見えるグラウンド
帰り道の歩道橋
いつだって探してるんです
こんな僕の前に現れるはずないけど
マリエさんが見ている人が
僕だけであって欲しいなんて
そんなことは言わない
というか言えない
いつか目が合うだけでいい
透明人間の僕
いつか隣の席
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