やさしい世界/
opus
の時が1日の中で
最も至福な時間帯
手を大きく広げ
めいいっぱいに
光を浴びる
体が陽に溶けて行く
遠くから烏の鳴き声が聞こえる
森のさざめきが聞こえる
海の咆哮が聞こえる
瞬間、
真紅に染まる
体が倒れ
額から血が流れる
誰かに撃たれたみたいだ
まるで、水たまりのように
どんどん血が溜まる
手を上げ
ぱちゃぱちゃと
その水面を叩く
掌が真っ赤に染まる
その色があまりにも
生々しくて綺麗なので
何だか笑みが零れてしまう
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