命の色/
菫
発泡スチロールに入った
テナガエビがひしめいて
二十匹の黒い塊の
半分は水槽に
大きいものは鉢に
フライパンに油をひき
強火
鉢から出して丁寧に洗った
エビを入れて蓋をすれば
しばらく飛び跳ね回り
その火が消えたのを合図に
燃え上がり
目が眩むような赤を
パリパリと音を立てて
長い足の一本まで
すべて食べ尽くして
「ごちそうさまでした」
手を合わせ
「いつもその心地でいなさい」
声が聴こえる
そう 明日になれば淡く
あの鮮やかな命の色も
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