夕火の温度を僕は知らない/
そらの珊瑚
あれは炎だ
理由も道徳も求めない炎だ
まごうかたなき赤い炎だ
怖れを知らぬ
黒い鳥が炎を目指す
命とはそういうものだ
せめて美しい君を覚えていよう
たった一日でしぼんだ朝顔
けれど百年生きたとて
命とはそういうものだ
夕闇がふりつむ
すべてあとかたとなる
夜の道連れに
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