短歌日記/為平 澪
 
眠れない夜の隙間にとけてゆく名前を呼んでカムパネルラ

エアコンと冷蔵庫の音が響きあうここが私の夜の帝国

土曜日の夜は長いと靴が鳴る行交う夜のラブソングたち

憧れた花の都の片隅で小さな恋を育みたくて

夢を見るあの人の夢に夢を見る自分探しの入り口は私?

この恋にサヨナラなんていわせない見知らぬ顔して寄り添う二人

指先が湿っているの私たち見抜かないで私の太陽

愛、シテル、じゃない愛をする愛の意味すら知らないままで

死ぬまでに指折り数えることがある何回言えるの「好きだよ好きだよ」

生活や仕事で疲れる君のため背伸びしたキス言葉を添えて

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