「小さな虹」と/バンブーブンバ
 

歩 歩 歩

湖 山 空 金閣寺
北へ すとんと置かれた金箔だから
日長眩む光 四周欄干へ干していて
杮葺きさえ金色纏う てっぺんに
鳳凰は 棚引く雲へ鶏鳴し

湖面へ開かれた蔀戸の 奥座敷のみ仄暗く
天井に波紋を揺らめかせて そこならば
そこならば いつまでも居られるんだけど
(立入禁止)
鳳凰は ケケケと鳴いた気がしたりして

歩 歩 歩

池泉回遊になぞらえて
くるくる全て きっと周って


「小さな滝」は そこにあった


身の丈ほどの放水線
「滝」と記した故人を敬う

水に打たれる路傍の石
「鯉」と名付けた文化を想う

その口先にほとばしり 滝をつぶてに跳ねかえし
青い空 ひそやかに
はんなりと
七色に曳く


もちろん わたしは 名付ける


今日の自分を励ますために

幾千年もここに在り 
ささやかに 巡り逢える
一日一日(ひとひひとひ)に



「小さな虹」と


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