折りたたむ午後/
 

君に照らされたいと
咲いた花は
雨風さらされ
踏まれながらも
その目に留まれと
桃色の手をかかげる

鈴なりのコチョウラン
大輪のボタン
道端のケイトウも華と
とうの昔に知っている 
天高く高く伸び
大きく花開いた君

咲きほこる姿に憧れ
万物は芽吹く
焼きつくす光さえ
糧にした葉は生り
花開き 実をたたえ
落ちた土には種 そして

見上げては まなざしを拒むようで
暮れの花びらは すべてを包みこみ
地が生まれてから死ぬまで
その鮮やかさは何一つ変わらない

香ばしく染め上げられた バスタオルを取り込み
膨らみすぎたイメージを 丁寧に折り畳む午後に

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