種を蒔く人へ/為平 澪
 
種を蒔く人よ
太陽が目覚める前から 満月が挨拶するまで
私を耕してきた人よ

私は情けない文字でした
いつも 対角線から汚いコトバで罵り
そして 平行線に並べられた
多種たちのコトバに 一喜一憂して喚きました

種を蒔く人よ
あなたは畑に出て様子を見ては
私がひび割れて 荒んでいると 涙を汲んできて
私が光が欲しいとわがままを言うと
黙って微笑んでくれました

種を蒔く人よ
私は今夜アスファルイトの痛みに耐えて
違う土地にうずくまり 発芽する
明日には 見知らぬ私の花が 芽吹くでしょう

 (それはとても怖いこと それはとても
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