還元/瑞海
 


床の下の人は
土に還るのを待っている
腐った林檎もきっとそう

とどめを刺さずに
ゆっくりと死ぬのが
綺麗、善とは限らない

きっと私なら
あなたの一張羅の白のシャツ
真っ赤に染める覚悟がある

泣かないで 私も泣いちゃう
逃げないで 追いかけちゃう

きっと 善い事のはずなのに
なぜか震えと涙が止まなくて
頭と視界が深紅に染まる

それも全部ナイフで切り裂けたら
どんなに楽か 孤独か
未来の私達はまだ知らない



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