晩餐/あおい満月
 

のみこむほど
のどに毛がはえてくる
缶チューハイは
めぐりめぐる
血をおしとどめる
からから
血の笑い声がきこえる
ひとりになりたくないだけだろ
なをかえたいだけだろ



とじこもった
西陽のさすトイレは
腕をひっかいたあとの
血をゆるくてらす
秒針はうずになって
風をのみこんでいく

**

血のいろをうつした
硝子の向こうに
ゆがんだリビングがみえる
向かいに座っている母親の顔の隈は
日を追うごとに濃くなって
血を滲ませている
いつだってリビングは
血だらけだ
娘の指の爪にも血が
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