小鳥の歌 【詩人サークル群青・七月の課題『歌』へ提出作品】/
そらの珊瑚
まばたきは
シャッターだから
夜になると
わたしのなかは写真だらけになる
そうやって
撮り続けた
日常のいくつもの場面を
夜の川に流していく
笹舟のゆくえを追えないように
それらがたどりつく岸辺もまた
わたしは知らない
朝
わたしのなかは
あっけないほどからっぽになる
からっぽでみたされて
小鳥の歌が
ちょうどよく響く
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