不安の向こう側/greenlemon
ーマンが、輪になってなんだか楽しそうに笑っている。
わぁ。みんないる。私も入れて。
田中さんが手招きする。
小走りでその輪に近づく。
コンビニの店員が、いつも買う缶入りカクテルを差し出す。
ありがとう。
楽しいな。
ここは、なんだかほっとする。
でも、なにか足りない。これは、いつまで続くの?
みんな笑っている。みんなずっとここにいるの?
ふと見上げると、鬱蒼と茂る木々の間に半分欠けた月がぼんやりと真っ黒な空に溶けている。
青い光の向こうには、なにがあったの?
私は、再び歩き始める。
どのくらい歩いただろう。
「そっちにいっちゃだめだよ」
足元をみるとあ
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