枢/徘徊メガネ
 
私は末っ子で甘えたがりだった

子供の頃 母に甘えられなかったのは

兄の心臓が生まれつき悪かったからで

わかってはいても

兄や姉がうけていた優しさが

私には足りなかった


父は子供に接するのが苦手な人だった

でも 親戚の子供に笑いかける父は別人のようだった

私は父を好きになれなかった


私の好きな色は青と緑

私の父は青と緑

それでも父を好きになれなかった


私は末っ子で甘えたがりだった

私は青と緑が好きな
末っ子で甘えたがりだった
 

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