クラブマリノス/草野大悟2
ーの効いた部屋で、はふはふ言いながらポン酢で水菜と鯨を食ベていると、なんだかとても幸せな気分になった。相良君はこぼれるような笑顔を浮かべて僕をじっと見つめていた。
彼は、とても素敵なパートナーになった。 大学を卒業するまで二人で暮らした。僕らはいつも一緒だった。買い物も、散歩も、寝るのも。彼は熱を帯びた目で僕を見つめるようになった。
「新潟に帰って実家を継ぐ」と言って胸にとびこんできた彼は、僕の胸でわんわん泣いた。
それっきり会って話すことはなかった。
一年後、相良君から年賀状が届いた。小さな女の子を抱っこした相良君と奥さんが写っていた
裏切られた、と思
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