クラブマリノス/草野大悟2
 

携帯が鳴った。倉岡からのメールだった。「皆さんのご出席を心からお待ちしています。イリアの旅立ちを祝い、これからもずっと彼女の良き友達でいてやって下さい」彼の暖かな人柄を思って僕はまた涙を流してしまった。
 怪訝そうに見つめるみんなに、メールの内容を伝えた。みんな大きな重しが取れたように晴れ晴れとした顔になって、
「ママ、早く早く、披露宴始まっちゃうよ」 そう言いながらマリノスを飛び出していった。

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