クラブマリノス/草野大悟2
 
の相良君を追いかけるようにヨチヨチ歩きの女の子が出てきた。
 逃げるようにその場を後にした。結婚するということはこういうことだ。子供を作り、育て、夫婦仲良く一生を添い遂げることだ。
 僕は、自分がそんな人生にとても不向きにできていることを十二分に理解していた。三人の姉にいたずらされたあの日から、男しか愛せなくなっていた。

 就職する気もなく街をぶらついていた時、大学時代の柔道部の先輩に出会った。なにくれとなく世話をやいてくれた人だった。
 先輩は、僕が就職もせずにいることを知ると、「お前にぴったりの仕事がある。前に一度警察の手が入っているが、今はちゃんと風営の許可を取っているから心配な
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