アイボリー/船田 仰
言いかけてやめた、だって空白に値しない面倒くさい怠惰
かさかさの親指で丸め込んで
言いたいことはないと言いたいらしい君は
別に、綺麗でもない、
生きてるってほどでもない感じ
ひどいなぁ
とか、黒いコートなびかせて言うからやん
そんなんやからあんな風に
あったかい影みたいに
明日から最後のテストだという事実は
いつになったらもっと温度をあげるのだろう
予想では午前3時くらい
逆に全部終わったときに
息苦しかったりして、魚の気持ちになって、
いやーやめてー空気に溺れちゃうー、と、
いとおかし
カーテンを揺らす冬の風と根っこで繋がる
ポケットに手入れさせて
きみのせいじゃないけど
だからと言って太陽はひっくり返らない
学校の中を無数の足音が歩いている
飛ぶように足音だけが歩いている
やたらと乾いた、ここがはじっこならいいと思った。
廊下や道端に乗せられているわたしたちは
いつでも何気なく
これからを背負っているのだ
待たせてるのだ
悪いね、と今を装う。きみは遅れた。
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