現場のへその緒(5)/Giton
なる」。
そして、広大な馬場を駆ける人馬、──顔をほてらせ、身体を汗で光らせながら、人と馬が一体となって走る姿が、青い影のように作者の《心象》を擦過します。
騎手の「わらひ」は、人には見せない作者の「わらい」でもあるのでしょうか?‥
いわば、“絶対零度の官能”{注=「子供はまた起きあがらうとしました。雪童子は笑ひながら、も一度ひどくつきあたりました。〔…〕こどもは力つきて、もう起きあがらうとしませんでした。雪童子は笑ひながら、手をのばして、その赤い毛布を上からすつかりかけてやりました。〔…〕/雪わらすは同じとこを何べんもかけて、雪をたくさんこどもの上にかぶせました。まもなく赤い毛布も
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