螺旋階段A/
凍月
硬い音が
塔に響く
一段目と
靴底の音
誰も見ぬ
静寂の中
二歩目を
踏み出す
コォーン
カツーン
と響いた
残る響き
消えた音
音の名残
上を見て
かすかに
溜め息を
漏らした
先が霞み
まったく
見えない
限りなく
続く階段
限りなく
昇る螺旋
けれども
僕は思う
何となく
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