ぷらたなすの樹  /服部 剛
 
私の重みで、凹んでいる
タイヤの椅子のブランコが
ぎっしり…ぎしり…と軋(きし)んで、ゆれる

軋んで、ゆれていくほどに
ぷらたなすの樹は、詩いだす
ざわつく若葉も、踊りだす

もし大人になった日常が、涙に濡れて
どんなに色褪せても
その公園を訪れて
タイヤのブランコに身を委(ゆだ)ねれば

ぎっしり…ぎしり…と軋むほど
私はだんだん、思い出す

ぷらたなすの樹は語りかけ
久しく忘れ去っていた
あの日の夢は甦る  






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