連れて行かないと約束して誰か/小川麻由美
 
それにしても
グレード4という言葉には
激痛が走る

君は笑いながら言った
「俺の詩も書いて欲しいな」

本気か冗談かなんて
わからないけれども
君の気持ちがわかるなんて
そんな事はありえない

私は こんな
薄っぺらい文字を羅列して
気を紛らわす
薄情者だ!

私が撮った季節の花の写真を
見ながら談笑した時間
あの時間をいい思い出になんて
したくないんだ

わかっておくれ
偏在する神々よ

まだまだ 君は
ここに留まらなくては
ならない人なんだ

まだまだ 君は
お母さんに会いに
行くには早いんだ

嗚呼
また涙する詩を書く
はめになろうとは
疲れ果てて寝た昨日の
アイメイクがティッシュに付く

この世の不条理を感じつつ
手の皮膚がピリピリしてきた

まだまだ 君は
これからだと言うのに
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