歌う自画像/
クローバー
内面を写し取るために描いた自画像が
僕が部屋から出ると歌いだす
僕と居ることがよっぽど気まずいのだろう
はじめの頃は、鼻歌程度だったが
今では盛大なオペラにかわっている
わかっているんだ本当は
しかめっ面でどこか居心地が悪い
不満とか鬱屈とか、そんなものしかない
と思い込もうとしているんだってことは
今日も僕には何語かすらわからない歌を
自画像は盛大に歌っている
絵の具が剥がれることを恐れもしないで。
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