小説における文体の問題/yamadahifumi
こそ、作者は前に出てきて、様々に意味付けなければならない。そうでなければ、意味がない。価値がない。
今の小説において、そういう事を感じている作家は稀だと思う。…つまり、『文体』を持っている作家は稀だという事だ。そして、文体を修辞的にこねくり回す事は自分の文体を持つという事とは全く違う。僕はそう思う。文体、というのは結局、作者の世界に対する視点を表してるのだと思う。今、小説というのは余りにポピュラーになり、『小説の書き方』も書店で安売りしている。だが、「文学者たる事の困難には依然として何も変わりはない」。現在、小説を書くーーーしかも、優れた作品を書く、という事は一言で言うと、一般に流布さ
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