目的についての考察/小川麻由美
 
私は生を受けてから このかた
目的について思いをはせることなど
滅多になかったと記憶しています

あったはずの目的 あるはずの目的

目的を持つことは美化されがちです
目的は善悪とは別の次元のことです

小さな達成感 大きな達成感
善いことの達成感 悪いことの達成感
その達成感を得られる快感
それが人間の生きる原動力
かもしれません

目的の結果において
達成感を得られると
人間はまた目的を探すでしょう
目的の正体は明かされません

私達は見上げても終わりの見えない
螺旋階段を登っています

ふと見知らぬ何かに肩を叩かれたら
歩みを止めざるを
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