apotheosis/紅月
そら、
は、あおく、
青いと、わたしたちがそう錯覚、
する、けふ、は、
やさしい、暴力に浸され、
事後の、咬傷から、首都圏が溢れ、
ています、」
(ここにはまだだれも認識からはぐれて、
ビルの外壁を
するするとのぼっていく獣たちは
みな死にたがっているんだよ、
と、指さしては
わらうひとびとの午睡、
(てっぺんは、ひらいしん、なんだって、
地下の、葉脈はほつれ、
獣たちは、
延びてくる影の、
閾値から、逃れようと、
そらへ、あがる、
*
あおく、
そこはまだだれの認識でもなく、
みぎわで交接する性器たちの、
はぐ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)