野菜戦士オコポちゃん?/まきしむ
・・・だーーー」
おこぽは全身の力を持って犬小屋から這い出た。まぶしい日がさしている。耐熱用のうぶ毛がたくさん生えているといえど、手のひらに地面の熱気が伝わってくる。口のはしからよだれが漏れた。夫人がすぐにそれをふきとる。鬱陶しい。心からそう思ったが、オコポはハイハイを続ける。
その時なにかがオコポの胸を打った。いける、、そう思った直後、夫人に尻を向け、道路の方めがけすごく早いハイハイをはじめた。
「オコポ!どこ行くの!」
オコポは勢いよく自分の尻にある青タンを叩くと、ハイハイの格好から足を伸ばし、犬のように四本足でかけ始める。本気で駆けるオコポのスピードに、あっという間に夫人は取り残され、オコポの姿はどこにも見えなくなった。
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