齧歯類/……とある蛙
異臭のする道に耳の長いネズミ
齧歯類は常に齧る。はを減らさなければ、死ぬまで、歯が伸びて行く。
猫は爪を研ぐ。爪の鞘を引き離す。死ぬまで、爪が伸びて行く。
人間は自惚れる。いろいろ挫折しても何かしら理由をつけて自惚れる。死ぬまで自惚れる。
現実を見つめることは辛いことだ。
現実は多くの場合、失望を伴うから。
時間と希望は不可欠の仲間だ。
時間がなければ、希望は絶望に変容する。中身は同じものの裏表なのに。
つまり、
人間は希望を挫折で削っている齧歯類だ。
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