長雨/
Lucy
空は薄暗いのに
色とりどりの看板や
揺れる木々の葉を
濡れた舗道は律儀に映し出す
冷たく滲んだ風景画を
靴やタイヤが
踏んでいく
ブラインドの隙間から
見ている私の
雨の記憶も
淋しいばかりで
途切れ途切れの
輪郭が
踏まれ
さざ波立って
空を見失う
戻る
編
削
Point
(17)