いくつかの散文/左屋百色
 
れてさ。それ
でその花がデートの時に邪魔でさ。もうね
最高じゃん。花が邪魔って。喜劇だよね。
夜空を見上げて星が集まって爆発して。そ
こから変な妄想して。私の隣でB君が芸術
的な何かを言ってくれるんじゃないかな。
B君とセックスする時には普通がいいな。
普通に家で。普通に裸で。お化けの格好な
んてしない。嫌だね。普通がいい。私たち
生きているんだから。普通に。普通でいい
じゃん。普通で。


「無題」

今ここにある。いくつかの散文を整理して
白蓮を燃やして比喩を詰め込んで。右に左
に暗喩を散りばめ最終的に自分で見失って
ゆくのを高層ビルの真ん中あたりに激突し
た光のせいにして結局は何を表現している
のか全く理解できない詩を脱ぎ捨てた洋服
といっしょに洗濯機の中に入れた。ゴォウ
ゴォウと回りはじめる。窓の向こうで咲い
ている花の名前を私は知らない。この散文
には題名がない。B君が詩に興味あるなら
題名をつけてほしいな。芸術的な題名を。
これに関しては普通なのは嫌だな。普通な
のは。うん。普通なのは。


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