或る芥川賞作家の受賞会見/yamadahifumi
あまりにもくだらない。ひどすぎる。彼らの内に、『もう、文学にはどのような方法論も残っていない。あらゆる方法が試みられてしまった』とそう嘆いていた評論家がいましたね。笑えますよ。少なくとも、お前の頭の中ではそうなんだろうな、としか僕には言えませんね。まだ全ては始まったばかりなんですよ。いや、まだ始まってすらいない。可能性というのは、方法論というのは自分で作るものなんです。そしてそれを自分で作れば、その隣に、もっと他の可能性の道が見えてきます。みんなのやっている事というのは、こうだ。あらかじめ整備された道だけを見て、「ああ、もう新しい道はどこにもない。全ての道は開拓されつくした」。お前が開拓しろ。お前
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