或る芥川賞作家の受賞会見/yamadahifumi
「はい、います」
ーー誰でしょうか?
「『神聖かまってちゃん』です。それ以外にいません」
ーー失礼ですが、その…かまってちゃんというのはどなたなのでしょうか?。私は知らないのですが。
「『神聖かまってちゃん』はロックバンドでしてね。知らないのも無理ないです。そこまで有名でもないですから。でも、僕は彼らの音楽を二十五才の時に聴きました。僕にとってはそれが全てでした。彼らの『ロックンロールは鳴り止まないっ』という曲が、僕にとっては雷鳴のように響きました。僕にとってはそれが全てでした。彼らの音楽が僕にとっての人生のハイライトであり、正に全てでした。僕は彼ら
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