哲学者の指/
服部 剛
在りし日の哲学者は、背後を振り返り
あの朧な真理のひかりを、指さしている。
すでに肉体は消えて久しい、彼の
想いを継ぐ者は同じ方角を、指さすだろう。
あまりにも遠く離れる
朧なひかりを仰ぎつつ
何故か今・背後から、感じるのだ
何者かの気配に(あまりにも暖かに)
包まれているのを
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