人間になった理由/朝焼彩茜色
人間になった理由を歩きながら 空に求める応えてと
知りえない宇宙を腕で括って 流れる星のオーラ
人間になった理由を風に溶け込みながら 尋ねる胸に叩く胸は無言
知りえない彼方を眼力が泣きながら それでも知りたいと 進んでゆく
私の魂を割って誰かが一人入って来る
たった一人いれば十分だと入って来る
大空に求めてたった一人
宇宙を括ってたった一人
一つになろうと溶け込みながら 銀漢から風が燦を飛ばす
雄飛の中の雌 優の中の浮遊
人間になった理由を浮きながら歩く 大地の磁石に歯を向け牙も生え
野生に移りながら半端な軸を踏み潰す 犇めく呪文を浄化しながら
人間になった理由を灼熱に凍てながら 対極を渡る 軸から中心に轟かし
思考を撫でながら凪の睫毛にそよ風 刹那 数えるなぞる 心の中心
解き明ける人間になった理由
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