無名の作家へのJKからのファンメール/yamadahifumi
そして美術室にそっと忍び込む場面。あそこで清田さんはとても辛い気持ちで、あの美術室の石膏像をなでさする。あの時、清田さんにはそれがミケランジェロのものなのか誰のものなのかわかっていないけど、でもその石膏像に自分の気持ちを託して撫でさする。あの辛い気持ち!。でも、あの辛い気持ちには理由なんてない。そうでしょう?。山田さん、あなたは作者だから分かるでしょう?。そうなんでしょう?。・・私も、辛いんです。そしてそれには理由がない。だからね、山田さん。私もやってみようとしたんですよ。授業をさぼって、美術室に忍び込んで、それで石膏像を撫で擦るって事を。でもね、授業をさぼるまではいきましたけど、その時間、美術室
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