この世の終わり症候群/中山 マキ
神世界を維持するために
容赦なく捨てているものもあるのかもしれないと思う
近所の桜は今年も満開に咲いて見事に散った
公園の入り口にある赤い実のなる木(名前はわからない)も
そろそろ芽吹き始めている
向かいの黒い犬が突然いなくなって小屋も壊されていて
少し怖い気持ちになったけど
朝にお散歩させている姿を目撃して安堵して(犬の住まいが家の中に変わっていた)
髪の毛は伸びているし、割れた爪も修復している
徹夜をしそうでも気付けば寝ていて
出血をすれば頼まずにもかさぶたが出来る
自己治癒能力はまだまだ現役で
大きく言えば常に地球は回っていて
その回転軸にわたし達は生活の基盤を合わせているのだけれど
時々、
わたし一人だけが置いて行かれている気持ちになるのは
何故なのだろう
時々、
無意味なほどに理由もないままに
褒めて欲しいと強欲になってしまうのは
どうしてなのだろう
こんなにも人に囲まれているのにわたしって奴は
無害のように装って、実は無害じゃないので
我ながら、なんて面倒くさい人間なのだろうと
思う
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