青い手紙/
そらの珊瑚
どこかに
わたしの詩を読んでくれる人がいて
わたしはその人のために書いたのでもないのに
ありがとうと伝えてくれました
それではだれのために書いたのだろう
もうひとりのわたしが
小さな森に棲んでいて
夜をこわがり泣くものだから
おとぎばなしを書いただけ
明日も朝が来るように
いつかは終わる頁であるけど
五月のポストに
一通の青い手紙が届くのです
新しい靴をおろすには
これほど最適な日はないでしょう
戻る
編
削
Point
(17)