風の通路/服部 剛
 
白髪の師は
開いたドアに凭れて
私を待っている

次に私が
ドアを抑えて
青年を待っている

ほんとうのことはそうして
語り継がれてゆくだろう

ドアを抑えて立つ、私の傍らを
(人と人の心の通路を)
風が、吹き抜けていった  





  
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