足/
服部 剛
人に厳しい言葉をいただいたら
じっと…胸に手をあて
瞳を閉じ
遥かな山の合間に沈む
あの夕陽をみつめていよう
弱いこころの、蟠(わだかま)りや
こびりついた、エゴまでも
あの夕空に溶け去ってしまうまで
苦い言葉の薬はやがて
腑に落ち切って
からだの隅々を巡るだろう
あの夕陽に照らされた
まあたらしい己の像となり
地を噛むように、踏みしめて
いくじなしの、震える足よ
ゆっくりと立ち上がれ
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