◆精霊はその望むところに息吹をかける◆ (ファーブル昆虫記五巻を使ったコラージュ詩)/こひもともひこ
と、その愚かな無知によって、それに劣らず我々を驚かせる。
事実を積み上げるということは知識ではない。
それは冷たい目録である。
道具は職人を作らない。
それは過去を知らない。
伝統の密林の中に時おり斧を入れることはよいことである。
既成観念の束縛を振り切ることは有益なことである。
ただし、これはその美を認める能力のある眼があるということを特に条件としての話である。
秩序とは一体何であるか。
調和とは一体何であるか。
我々はいつかそれを知ると自負することさえできるであろうか。
この神秘の国では、足をとられやすいものである。
それを飛び越えてさきへ進もう。
もうその時である。
◇◇◆
メモ:
すべての行は、文章を切り出して使用した。文の組み換えや、単語の入れ替えはせず。
「何故?」のみ、切り出したものを複数回使用している。
テキストは『完訳 ファーブル昆虫記 5』山田吉彦・林達夫 訳(岩波文庫)
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