◆精霊はその望むところに息吹をかける◆ (ファーブル昆虫記五巻を使ったコラージュ詩)/こひもともひこ
べては再び夜の闇につつまれる。
消え去った智慧の閃きを再び燃すものは何もない。
一切は一切がまたやり直すために終わる。一切は一切が生きるために死ぬのである。
何故?
一番小さなものから一番大きなものに至るまで、誰か苦労の種のないものがあろうか。
苦労の種は生命と共に生まれる。
何故?
掠奪、強いもの勝ちという憎むべき権利は、人間というけものだけが持っている専有物ではない。
何故?
生きるべく定められていたものは、とにかく生きるが、それはほかの形の下においてだ。
何故?
生物全体の利益のために、死の鎌は有り余るも
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