寓話。/駒沢優希
 
恐る恐るまさぐる手をそっと握る
ゆらゆらと揺れる二つの光を壊さないように

気が遠くなるような暗さを掻き分け 掻き分け
自分の歩ける範囲も超えて
疲れきった喉はもう 叫ぶことを厭っている

君が笑える場所から
僕は君を連れ去ってしまった
自分が代わりになれると奢れていたのはいつまでだろう
冷たい光が降り注ぐような 目醒め

せめて僕は祈る
正しくなくても
結局は僕のためにしかならないのだとしても
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