旅立ちの朝/ヒヤシンス
朝の美しい光の中へ船出しようと窓際に帆船が停まっている。
今まさに新しい航海が始まるのだ。
周りを見渡すと思いも新たに船出しようとする人達のなんと多いことか。
口惜しいのは、この朝の光が決して私一人のものではないという事。
朝日は平等に人々を照らし、それぞれの勇気を激励する。
それぞれの人達は、勇気の裏に不安を隠してはいないのだろうか。
不安が勇気を飲み込む時、希望の船は難破してしまうのだろうか。
弱気な私に先人は言う。
今まであなたは何度も難破してきたのでしょう?今更何を恐るのです?
その度にあなたは幾度新たな船出を経験してきたのですか?
お行きなさい。新しい世界があなたを待っているのです。
これらの言葉を私は私と同じ志を持つ者に伝えたい。
みんな目指すところは同じなのだ。
より良く生きたい。全てが幸福でありたい。信じたい。
それでこそ私達は呼吸を整えて新たな船出が出来るのだ。
白く眩い日差しを受けて、今こそ詠う旅立ちの詩。
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