両国橋/……とある蛙
吾妻橋一九七二年六月
つぶれるはずのビアホールで
神保町の石屋の伜と
一八の僕はたらふくビールを飲み交わし
ぐでんぐでんの千鳥足
売り飛ばされたはず(?)のビヤホールは
そのまま生き残り
(ドライ……とか売れまくりー美味かないが))
黄金のう○こを抱いたランドマークに
当時の僕らは場を惜しみながら
生ビールをとにかく出来る限り
詰め込んだ
とにかく
とにかく詰め込んだ
その結果の千鳥足
両国橋まで下駄ばきで
アスファルトの道は
よく鳴っていた
カラ〜ンコロ〜ンカランカランコロン
ゲゲゲの鬼太郎のような僕は
少し飲み過ぎで
ゲロゲロの鬼太郎
になってしまい
石屋の伜は
内容物の確認作業に忙しく
(こいつ変態か?)
涙目の俺の目の前で
「お前ももろきゅう食べたっけ」
「割り勘だと割悪いなぁ」
等と独り言を言っている。
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