二千年目のすれ違い/木葉 揺
っちゃダメ」
あともう少しだったのに
蜃気楼が見守る
僕たちのドラマ
我に返る
それは君がくれた予防線なのだ
ポケットから、そっと手を出す
ズッシリとした重みを感じながら
「ただ側にいて」
ああ、ロゼッタ
僕にはそれはできない
砂塵に巻かれ
涙を搾る
本当に君を愛していたんだろうか
君を愛する僕を演じたのだろうか
それならば
いっそのこと
見えない世界へ
すまない
シュー
ドスンッ!
熱風がシャワーを作り
君の上に降り注いだ
「あたしは、あたしなのに・・・」
虚ろな言葉が
砂の下でかすかに響いていた
ほどなく訪れる
足音を待ちながら
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