桜の記憶/フゥ
 
桜の坂道で手を繋ぎたくて
思いきってシャツのすそをつまんだこと
遠い日の記憶の花びらがひらり
真昼の三日月が見せた幻でしょう

桜 綺麗なピンクを
スニーカーで踏んで行くの
淡いピンクが滲んだ
もう行かなくちゃ


引き出しの奥底出せなかった手紙は
昨日の続きを今も夢見ている
木漏れ日のような甘い棘ならば
まどろんでいるのは気持ちいいだけでしょう


壊れて泣いたって
願いは叶わない
流れ星見送った夜の向こう

桜 舞い散る記憶を
スニーカーで踏んで行くの
淡いピンクが汚れた
もう行かなくちゃ

泣きそうだ
行かなくちゃ
泣きそうだ
行かなくちゃ
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