青春の頃〜ファウスト/Terry
 
コートで見せたスーパープレーには物理的要素が含まれていた。達夫独自の練習法もあり、達夫に似つかわしくない言葉で言えば「ボールハンドリングがものを言う」。達夫のセンスには嫉妬もやむを得ないものであった。
 トーナメント表が決まったようだ。
「どんなチームなん?」
 達夫が質すと学校で一番長身の長介君が、
「バスケ部二人」
 ここでも長介君は何かを隠していたが、
「強そうやな。二人で攻めよか」
 達夫は目を踊らせていた。
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